パレドゥレーヌ
淑女のための戦略講座

★領主全員味方にしてみよう
エヴァンジル:
ところでそうは言ってみたものの。
実際、全員を味方に出来るものなのかな、司教殿。
アストラッド:
そうだねえ。普通の領主達はともかく、
王候補になっている伯父上とか黒貴族は、
味方にできないよねえ。
ウィーギンティ:
味方にすることは、可能ですよ。
アストラッド:
えっ、そうなの!?
ウィーギンティ:
ターブルロンドの伝統である決闘による勝負。
この勝負に王候補が破れれば、その候補は候補たる資格を失い、ただの領主となります。
以後は普通の領主と同じやり方で、味方とすることが出来ますよ。
エヴァンジル:
なるほど、フィーリア姫の場合、決闘に負けたら、そこで敗北だったものね。
他の王候補も、それは変わらないということか。
アストラッド:
出来るんだったら挑戦してみたいな。
楽しそうだし、なんだか良いことありそうだし!
エヴァンジル:
まあ、領主が全員残った状態で全てを味方に……というのは難しいだろうけど、
無事な領主を全員……というなら、十分可能な気はするよね。
ウィーギンティ:
ですが、宰相殿を決闘で負かすのは、なかなか難題といえましょう。
彼に決闘を承諾させる事が自体が、難関です。
知力に優れた騎士で挑戦しなければ、言葉巧みに挑戦を回避されてしまいます。
アストラッド:
大丈夫だよ、エヴァンジルがいるじゃないか。
エヴァンジル:
宰相殿が雇っているような強い騎士に、私が決闘で勝てると思うのかい?
私はかっこいい美形だから、お金と武力は無いんだよ。
ウィーギンティ:
顔の造形と、資金力・武力の関係は、
協会内部においても公式化されておりません。
アストラッド:
そうだよ。ディトリッシュも黒くてかっこいいけど、強いよ?
着てるものも高級そうだし。
顔とはあんまり関係ないんじゃないかな。
エヴァンジル:
真理を突くんじゃない、真理を。
そういうことにしておかないと、ひ弱な私の立場が無いじゃないか。
アストラッド:
はーい。
ウィーギンティ:
いずれにせよ、今エヴァンジル殿が口にしたように、
決闘に持ち込めんでも、勝利を収められなければ効果はありません。
宰相殿との決闘は言うに及ばず、ましてかの黒貴族に勝てる騎士が、
果たして今の時代に存在するのかどうか……。
アストラッド:
うーん……。じゃあどうすれば良いのかなあ。
エヴァンジル:
ヴァンあたりだと『特訓あるのみ』とか言いそうだけど、
案外それしかないかもしれないな。
あるいは……まあ……。『生き残った領主全員』を目指すだけなら、
邪魔な領主には『消えて』もらうという手もあるよね。
アストラッド:
暗殺はお金かかって大変じゃない?
エヴァンジル:
うん、それよりはその……。
えへんえへん。
彼らに縁のある騎士の話を進めることで、なにか打開策があるかもね。
アストラッド:
へー、緑かぁ……。
ウィーギンティ:
字が違いますが、確かに似ておりますので、三角をさしあげましょう。
アストラッド:
わーい! ありがとう!

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